ときどきナガノもこれが最終回。最後に訪れたのは戸倉上山田温泉です。
最後の枠でどこに行くか検討していたところ「温泉バル」というイベントが開催されるという情報が流れてきたので、これに合わせて訪問することにしました。
概要
訪問地
長野・戸倉上山田 (2回目)
日程
1泊2日 (2018年 2月)
旅程
1日目
- 東京駅から北陸新幹線で上田へ
- 上田駅からしなの鉄道で戸倉駅へ
- 徒歩でバルの受付へ向かい、チケットを購入
- まいづるさんで昼食
- 宿にチェックイン、荷物を預ける
- 街歩きツアーに参加
- ツアーの流れで宿のお風呂に浸かる(温泉1)
- 瑞泉で温泉2
- 笹鈴でお饅頭を入手
- かめ乃湯で温泉3
- 街を散策
- 宿に戻って夕食
宿
食事
朝食:万世のハンバーグサンド
昼食:まいづる
夕食:宿の夕食
2日目
- 宿をチェックアウト
- 島屋でお土産購入
- 街中を散策
- アルゴット戸倉で仕事
- 戸倉駅からしなの鉄道で長野駅まで行き、新幹線で帰還
コワーキングスペース
食事
朝食:宿の朝食
旅のテーマ
- ときどきナガノ最終回
- 温泉バル参加
振り返り
ときどきナガノ 最終回
2017年 9月から参加していた ときどきナガノ もこれが最後の訪問。
期間は 2月末までだったので、最後はどこがいいかと悩んでいた所に、前々回にもチラッと訪れた戸倉上山田温泉で「温泉バル」という企画が行われるという案内が Facebook のグループに流れてきたので、 これは絶好のタイミングということで参加してみることにしました。
温泉バル in 戸倉上山田
「温泉バル in 戸倉上山田」はいわゆる事前に購入したチケットで街中のお店で飲食や施設の利用ができる、いわゆる街バルイベント。
かつて長野でも屈指の温泉街として栄えた戸倉上山田温泉をもう一度盛り上げていこうと、 クラウドファンディング も活用しながら企画、準備が行われ、今回初の開催となったそうです。
とはいえ、企画を知ったのが開催日の数日前だったので、普通に当日券を購入して参加することにしました。
戸倉上山田温泉へのアクセス
戸倉上山田温泉の最寄駅の しなの鉄道・戸倉駅は北陸新幹線の長野~上田のちょうど中間あたりに位置しています。
今回は新幹線で上田まで行き、しなの鉄道に乗り換えて戸倉に向かうルートで訪れました。
上田駅から しなの鉄道で戸倉駅へ
戸倉駅から戸倉上山田温泉エリアまでは少し離れていて、バルに合わせてシャトルバスも出ていたのですが、若干タイミングが合わなかったので、散歩も兼ねて徒歩で向かいました。
千曲川
20分ほどで、バルの受付があるファミリーマートに到着して、当日券を購入しました。
ときどきナガノの参加者であることを伝えると、少し驚かれつつ歓迎していただきました。
受付会場
チケット入手
温泉バル
昼食 - 舞鶴さんの「おとうじ」
まずはお昼時だったので、バルの参加店の中で気になった舞鶴さんで「おとうじ」という聞きなれない料理をいただきます。
おとうじは長野の郷土料理で、汁の中に麺を「投じる」から転じて おとうじ という名前になったのだとか。
確かどれ頼んでもよいと言われましたが、やはりここは名物をいただきます
そしてこちらがそのおとうじ。
写真で見たイメージは山梨の ほうとう のようなイメージしていたのですが、意外にも細めのうどん...というよりは にゅうめんに近い細めの小麦麺。長野名物のお蕎麦とも違っているのが面白くて、いい意味で裏切られました。
お味の方は、たっぷりの野菜やキノコ、鶏肉から出た出汁の優しいお味で、心も体も温まる感じ。麺が細めなので、汁や具材と合わせて食べるのにまたほどよいのです。写真を見ているとまた食べたくなってくる...
街歩きツアー
おとうじで温まった所で次に参加したのが街歩きツアー。
温泉街の歴史やスポットをガイドしてもらいながら街中を巡るということで、この土地をより深く知ることができる絶好の機会ということで参加することにしました。
集合場所に行ってみると、参加者は 20人ほど。上田や長野など県内から来た方が多く、県外から参加していたのは僕だけでした。(まあ平日の昼間だったので...)
案内役はこの日の宿泊先の亀清旅館の若旦那で、アメリカ出身のタイラーさん。
若女将のお父さんである先代が亡くなって旅館を廃業するという話になると、日本に移り住み、受け継ぐことにしたそうです。
詳しい経緯はこちらの若女将のインタビュー記事に載っていました→ シアトル出身の若旦那さん。旅館の仕事は彼の“天職” (All About)
右の青い作務衣姿の方が案内役のタイラーさん
普段も予約制の街歩きツアー ずくだしツアー を行っていて、今回はそのダイジェスト版ということで、3~40分ほどのコースを巡っていきます。
まずは戸倉中央公園から
たまごの自販機
ラーメンが有名で行列もできるという大黒食堂さん
飲める温泉もあります
戸倉上山田温泉は、かつては善光寺参りの後の精進落としで立ち寄る温泉地として発展し、特にバブル期には連日のように社員旅行や団体ツアー客が訪れてにぎわっていたそうです。
街の中にもパブやスナックといった いわゆる夜のお店が多数立ち並んでいて、当時の盛況さが伝わってきます。(何気に温泉バルにも参加している店もたくさんありました。)
ですが、バブル崩壊後は不景気やライフスタイルの変化などもあって、徐々にかつての賑わいは失われていってしまったようです。
奥に見える大きな建物もかつては大勢の団体客が利用していたホテルでしたが、今は廃業して廃墟と化してしまっています。
メインストリート
街に唯一残っているお土産屋さん
そんな中、かつての賑わいを再び取り戻そうとして始まったのが今回の温泉バルということでした。
ちなみに、ツアー中にふと気になって戸倉と上山田の区切りはどこなのか尋ねてみたら、ちょうどそのタイミングで足元に境界がありました。
この赤いのが境界線の目印
この理髪店の辺りでした
他にも、名曲、千曲川の作詞家として知られる山口洋子さんの展示館や、民家にある立派な日本庭園などを見学しながら、元の集合場所に戻ってツアーは終了。
ダイジェスト版ながらも、ただ見て回るだけではわからなかった歴史や知識を知ることができて充実したツアーでした。
そのあと、タイラーさんのご厚意でツアー参加者は亀清旅館の温泉に入らせていただけるという事で、他の参加者の方と共に街歩きの疲れをいやしました。(今日このあと、ここに泊まるんだけどね。)
温泉
というわけで、思いがけず一足先に旅館の温泉に入ったのですが、せっかくなら他のお湯も試してみようと、いくつか回ってみました。
瑞祥
まずは亀清旅館のすぐそばにあった 瑞祥 さん。バルのチケットで利用可能でしたので、立ち寄ることにしました。
なんか微妙な角度の写真しかなかった...
内湯は巨大な天然の岩を使った迫力のある岩風呂。洞窟にいるような雰囲気です。
露天風呂は広々としていて、壺湯やササラ湯といったユニークなお風呂も並んでいます。
露天風呂の様子 (公式サイト より引用)
かめ乃湯
そしてもう一か所、お昼を頂いた まいづるさんでオススメしていただいた かめ乃湯 さんです。
上山田温泉が開かれた時から 100年以上続いている歴史ある公衆浴場で、地元の方々に愛される憩いの場だそうです。
お風呂はこんな感じ。 (公式サイト より引用)
湯加減もちょうどよく、いつまでも浸かっていられそうでした。(夕食の時間が迫って出ました。)
宿 - 亀清旅館
今回の宿は、街歩きツアーでもお世話になったタイラーさんが若旦那の 亀清旅館 さんです。
歓迎されています
歴史を感じる建物ですが、タイラーさんが引き継いだ後は自ら手を加えて少しずつ改良を加えていっているそうです。
モダンな作りのロビー。マキのストーブが炊かれています
お部屋は旅館は やっぱこうじゃないと!という感じの雰囲気で、自然と落ち着いてくつろげるお部屋でした。
窓際の小下がりスペースもよい感じ
お風呂は 24時間入ることができて、贅沢なかけ流し温泉。しかも露天風呂はタイラーさんの手作り (!) だそうです。
サイズはコンパクトですが、手作りとは思えない立派な露天風呂 (公式サイト より引用)
夕食はお部屋でいただきます。
メニューは地元の食材を和食に、生ハムのサラダやコーンのポタージュ寄せといった洋のテイストも取り入れられたユニークなメニューが織り交ぜられて、バラエティ豊か。もちろんどれも美味しい。
春の訪れを感じさせるお鍋
なんだか盛り上がってきたので、地酒の飲み比べセットも頂きました。(銘柄忘れちゃった...)
デザートがアップルパイというのも、若旦那の故郷の風を感じます。
一方の朝食の方は純和風。名物の鮎の甘露煮も丸々出てきました。
歴史を受け継ぎながらも若旦那が取り入れていく新しい風によって、単なる温泉旅館に留まらない魅力を感じることができる宿だったと思います。
コワーキングスペース
今回のコワーキングスペースは戸倉駅近くの アルゴット戸倉 さん。今回の温泉バルの主催者の方が運営されているコワーキングスペースです。
周囲が大きな窓に囲まれて明るい雰囲気。
目の前は立派なかやぶき屋根のおそば屋さん
席は 20席ほどあって、空いている場所は自由に利用できます。
中の様子 ( 公式サイト より引用 )
カフェも併設されていて、コワーキングスペース利用者もドリンクや食事もオーダーすることができます。
旅館や観光地のコンサルタントをされているという温泉バルのスタッフの方ともお話しさせていただき、今回のバルや ときどきナガノの事など、色々意見交換させていただくことができました。
電車の都合でちょっとバタバタしてしまいましたが、1枚残っていたバルのチケットでケーキをお土産に頂いて帰路へ。
こちらもバルチケットで頂けた名物のクリームソーダ。次回も楽しみです。
おみやげ
帰りはあまり時間がなかったので、先に買っておいてよかったお土産たち。
六文銭まんじゅう
バルのラインナップにあった 笹鈴 さんの 六文銭まんじゅうです。
六文銭の名がついているのは、真田家ゆかりの地である上田が近いこともあってでしょうか。
皮は黒糖...ではなく赤糖を使った薄皮で、中はサラッとした こし餡がギッシリ。赤糖の香りと上品な感じの甘さで美味しかったです。
焼鮎の甘露煮・うるか
街歩きツアーの途中でも立ち寄った鮎の佃煮屋・島屋さん。
バルのラインナップの中にはありませんでしたが、街歩きの時に試食させていただいた甘露煮とうるか が美味しかったので、帰りにお土産に買っていくことにしました。
街歩きでも立ち寄っていました。
中に入ると甘露煮の甘い香りが漂ってきます。お店の人に うるか が欲しいと伝えると、珍しいものが...と何やら奥から持ってきて頂いたのが 2年ほど熟成したという黒うるか。
どこか嬉しい「晩酌の友」の文字
閉店したお土産屋さんの在庫品、いわゆるデッドストックなわけですが、もちろん品質はまったく問題なし。
熟成されることで味もまろやかになって旨味も増しているとか。しかも通常の商品よりも少しお安くしていただけるということで、これは買うしかありません。焼鮎の甘露煮と共に購入させていただきました。
うるかはコケのような香りが魅力とはわかりつつ、個人的には若干苦手だったのですが、ここの うるかはお酒やお醤油などで味付けされていて、臭みをほとんど臭みを感じることなく、純粋に鮎の美味さを感じることができる逸品。
甘露煮もじっくり柔らかく煮込まれているので、頭から尻尾まで丸々食べられることができます。
どちらも酒飲みにはたまらない味ですので、一度お試しあれ。
所感
仕事の都合で若干慌ただしい感じになりつつも、戸倉上山田というエリアにスポットを当てて掘り下げる形で訪問でき、ときどきナガノ最後の訪問にふさわしい内容になったと思います。
温泉バルは その土地の歴史や文化に触れたり、地元の方々との交流が行える場として、ときどきナガノとの相性が とてもよいと思いました。
もちろん単にイベントとして見ても、古き良き温泉街の雰囲気や魅力を気軽に味わうことができるよいイベントだったと思います。
次回も開催されることがあれば、また参加したいと思います。
(2018/9/20 追記) ...と思っていたら、第2回温泉バルが 2018/10/4(木) に開催決定したようです。
「第2回 戸倉上山田温泉バル」 湯〜トピア in 戸倉上山田温泉
前売りチケットも発売中なので、予定が合う方はぜひ参加してみてください。