途中下車と温泉の旅TaBiLoG

ゴールデンウィーク終盤のお出かけ衝動で沼津に行った時の記録。

最初はフラッといって帰ってくるだけのつもりが、甲府と石和温泉までめぐる旅になってしまいました。

旅のコンセプト

ちょいと沼津

静岡県東部、東海道新幹線が通る三島と、その隣に位置する沼津は「関東から気軽に行ける静岡らしい町」と勝手に思っていて、軽くおでかけしたくなった時にチョイチョイ訪れています。

地域としては手前の熱海、伊豆辺りから静岡県ではありますが、なんとなく雰囲気的には関東地方の延長という印象のが強かったりします。

ですが、そこからトンネルで抜けて三島まで来ると、地形が開け、富士山も見えるようになって静岡の雰囲気が出てきます。(東海道新幹線で浜名湖を越えるくらいまでのあの感じ。)

今回訪れた沼津は東京駅から新幹線で三島まで行って乗り換えれば 1時間ほど。東京駅から東海道線に乗っても 2時間半ほどで行くことができます。

また沼津には漁港もあるので、駿河湾の海の幸も楽しむことができます。

今回もどこにも出かけていなかったゴールデンウィークの終盤になって流石にどこかに行きたくなり、軽い旅行気分でで沼津を訪れることにしました。

途中下車の旅

今回の沼津までのルートは東京駅から東海道線に乗って、ノンビリ途中下車をしながら行ってみることにしました。

JRはいくつかの条件を満たせば目的地の途中駅で改札の外に出ることができます。

その条件を簡単にまとめると、

  • 乗車駅から降車駅までの距離が 100キロを超えている
  • 大都市近郊区間 のみの利用ではないこと
  • 乗降駅が都区内などの 運賃計算の特例エリア内 の場合、途中下車駅が同一のエリアではないこと
  • 回数券やおトクな切符、特急券などの特殊な券ではないこと

といったもので、詳しくは JRのサイト](https://www.jreast.co.jp/kippu/05.html) などで説明されています。

ようは 100キロ超えてる切符は都市部でなければ普通に途中下車が可能となります。(都市部は要注意。)

で、東京駅から沼津駅の距離は約 130キロ、かつ大都市近郊区間には含まれていないので途中下車が可能な乗車券となります。

もう少し手前の熱海や伊東だと東京近郊区間に含まれてしまうので途中下車ができません。 やっぱり関東の延長

つまり沼津はギリギリ途中下車が可能な点でも程よい距離感であると言えます。

とはいえ、途中の観光スポットである小田原や熱海には何度も行ってるし、あまりしっかり観光するぞという気分でもなかったので、今回はこれまでに降りたことがない駅で降りて、周辺を散歩してみることにしました。

帰りの経路を迷った末に

冒頭でも書いた通り、最初は一泊してそのまま普通に帰るつもりだったものの、せっかく沼津まで来たのに もったいない気もしたので、いくつかプランを検討。

  • 富士まで行って身延線(特急ふじかわ)に乗って甲府まで行く
  • 豊橋まで行って飯田線(特急伊那路)に乗って長野まで行く
  • 御殿場線の乗って帰る
  • 熱海に寄って帰る
  • 小田原まで行ってロマンスカーで帰る

熱海や小田原は何度も行ってるし、御殿場線経由も前にやったので、残るは身延線か飯田線。

ただ長野まで行ってしまうとやり過ぎ感があり、何なら豊橋もちゃんと訪れたことがないので行ってみたいし、となるといよいよ本格的な旅行になってしまうので、今回は身延線で甲府まで行くことを選択。

ちなみに沼津から中野までの乗車券を身延線経由で購入すれば 100キロを超えるので途中下車が可能とります。

ならばと以前ほったらかし温泉に行った際に通って気になっていた、石和 (いさわ) 温泉で日帰り温泉にチャレンジしてすることにしました。(と、沼津のホテルに着いてから決めました。)

今となっては、落石で不通になってしまった飯田線に乗っておけばよかったかも、とちょっとだけ思ったり。

概要

日程

出発:2021年 3月 (1泊2日)

  • 計画開始:出発前日

訪問地

  • 茅ヶ崎
  • 平塚
  • 根府川
  • 沼津
  • 甲府
  • 石和温泉
  • 大月

宿泊地

旅程を見る

旅程

1日目

東海道線・途中下車の旅

  1. 中野駅 → 東京駅 (JR中央線)
  2. 東京駅 → 茅ヶ崎駅 (JR東海道線)
  3. 茅ヶ崎駅 → 平塚駅 (JR東海道線)
  4. 平塚駅 → 根府川駅 (JR東海道線)
  5. 根府川駅 → 熱海駅 → 沼津駅 (JR東海道線)
  6. ホテルチェックイン
  7. 居酒屋で夕食

2日目

身延線(特急ふじかわ)で甲府へ・途中下車の旅2

  1. 沼津駅 → 富士駅 (JR東海道線)
  2. 富士駅 → 甲府駅 (JR身延線)
  3. 甲府駅 → 石和温泉駅 (JR中央線)
  4. 石和温泉で日帰り入浴
  5. 石和温泉駅 → 大月駅 → 中野駅 (JR中央線)

費用概算

約 30,000円

  • 交通費:13,000円
  • 宿泊費:7,000円
  • 食費:8,000円
  • 温泉:2,000円

1日目

まずは みどりの窓口で沼津までの切符を購入。


これで途中下車していきます

中央線で東京駅まで向かいます。

途中下車の旅スタート

東京駅でお昼ご飯の駅弁を購入。途中駅で食べようとも思ったものの、お昼の時間が過ぎてお店が見つかない可能性もあったので無難にいくことにしました。

そしてモバイルスイカで東京から沼津までのグリーン券を購入して東海道線に乗車。

ちなみに小田原から先はグリーン車がついてない場合があり、さらに熱海から沼津までは沼津直通の電車にしかグリーン車がないのですが、グリーン券の料金は小田原までと沼津までで変わらないので沼津まで購入しています。(もし沼津行きに乗れたらラッキー)

この時点ではどこに寄るかは特に決めていなかったのでお弁当を食べながらグーグルマップを物色。とりあえずまだ降りたことのない駅で一番近い茅ヶ崎駅で降りてみることにしました。

茅ヶ崎駅

駅から出ると広いペディストリアンデッキが伸びているものの、街自体は比較的コンパクトな印象。

あまり目標になりそうなものがなかったのでとりあえずぶらっと一周。

中華料理屋が何軒か並んでいる裏路地を抜けて駅に戻る途中で和菓子屋さんを発見。

なんとなく覗いてみると、ちょうど子供の日で柏餅が並んでいたので思わず一つ購入。後でおやつでいただくことにして駅に戻ります。


さらっとしたこしあんと柏の香りが爽やかで美味しい

駅ビルのフロアマップを見ると、珍しく屋上があるようなので行ってみることにしました。

けれどそんなに広くはなく、有料のバーベキュースペースがメインという感じ。とりあえず一周して次の駅へ。


残念ながらビューられず

もうちょい駅の反対側とかに行っても良かったんですが、あんまり時間をかけてもと思ってそそくさと移動してしまいました。

平塚駅

次に来る電車がちょうど隣の平塚止まりだったので、ならばということで今度は平塚駅で途中下車。

ららぽーとまでの案内みたいのがやたら掲示されていたので地図を見てみると、ちょっと離れた所に巨大な「ららぽーと湘南平塚」を発見。

そしてその近くには平塚八幡宮というのもあるようなので、一旦ららぽーとまで行ってから八幡宮に寄って駅まで帰るというルートを辿ってみることにしました。

循環バスで 10分ほどで到着。規模的には立川のと同じくらいか若干広いかも。

サーっと一周して、八幡宮へ。

駅前まで戻ると立派なアーケードがあったので、商店街もちょっと散策。

規模的には茅ヶ崎より栄えているような印象でした。

そして再び東海道線に乗車して根府川駅へ。

根府川駅

(JR東日本の)東海道線の中でも絶景スポットとしてしばしば話題になる根府川駅。駅のホームの目の前に海が広がっていて、いかにも "映え" な感じ。

ただ改札は海の反対側にあって、ホームよりはパッとしない景色。


駅前は公衆トイレがあるくらい。改札は無人

海沿いまで降りるには ぐるっと迂回しなければならない様子。しかも車の量も多くて歩道もないので歩きづらい。仕方ないので駅の周りで写真を撮って駅に戻ります。


ホームより高台なので海が遠くなる


やっぱホームからのが海が近い

幸いこの区間はまだ本数が多い方なので、それほど待たずに次の電車が到着。時間的にもほどよい感じになってきたのでこのまま沼津まで向かうことにした。

沼津到着

熱海駅で一度乗り換えてから沼津駅に到着。

とりあえずホテルにチェックインしてひとっ風呂浴びたら、ホテルの近くにあるお目当ての居酒屋「あゆみ屋」さんへ。

ここには何回か来たことがあって、地元で獲れた魚や静岡の B級グルメなどが楽しめる居酒屋です。

ちょっと早めの時間なのでいけるかなと思ったら、カウンターにはビッシリ予約席の札。こりゃダメかなと思ったら 7時半までならオーケーということで入店。1時間一本勝負でいくことにしました。

刺身の盛り合わせときんめの頭の煮つけ、かさごの唐揚げを注文。どれも美味い。

静岡の地酒である正雪も頂いて、短い時間ながらも大満足。

酔い覚ましに駅の反対側をプラプラ。


聖地だけあって、あちこちにラブライブ (残念ながら未履修)


連休の後半の夜というせいか人通りは少なめ


ライトアップがキレイな橋

もう一軒どこか行こうかなとも思ってたんですが、1時間1本勝負でペースを早めたせいで意外とお酒が回っていたので、おとなしくホテルへ帰還。


うっかりラーメンは食べてしまいましたが。ニンニクが効いてて美味い。

2日目

富士駅へ

事前に予約していた特急の時間に合わせて早めに出発。

予約していたのは特急券だけだったので、券売機で特急券を発券してから乗車券を窓口で購入。

身延線から甲府経由で中野駅までの乗車券を買うことで、帰りのルートも途中下車が可能となりました。(ちなみに券売機では買えなかった)

まずは特急の出発駅である富士駅へ。天気が良くて、車窓からは富士山の姿がくっきり。

そして 20分ほどで富士駅に到着。特急の発車時間まで 30分ほど時間があったので早速富士駅で途中下車。

駅を出るとビルの合間に富士山の姿。どこから見てもどこかしら富士山が見切れていて、さすがは富士の名を冠する駅。

駅の周辺を軽く一周したら再び入場して、特急ふじかわに乗車。


外観はあんまり特急っぽくないけど特急

富士山と反対側 (進行方向左側) の席で失敗したかなと思ったものの、山間部に入ると常に富士川が見える景色だったので結果的には正解。

川の様子を見ながら電車に揺られること約 2時間で甲府駅に到着。

冷やしほうとう、おざら

山梨名物といえば、きしめんのような小麦の平たい麺をいろんな具材と共に煮込んだ ほうとう。

子供の頃に何度か家族旅行で山梨を訪れて ほうとうと馬刺しを食べた記憶が残っています。いるんですが、実はそこまで ほうとう に興味はありませんでした。なぜなら うどんより蕎麦派なので。(もちろん、ほうとうも美味しい)

と思ってかつて訪れた ほうとう屋「小作」さんのサイトでメニューを見てみると「おざら」という、聞きなれないメニューを発見。

調べてみると、冷たいほうとうを熱いつけ汁に浸して食べる、いわば ほうとう の つけ麺版みたいなものとのこと。これは是非とも試してみたい。なぜなら、つけ麺は好きなので。

実はこの おざら を食べてみたいというのも、甲府を訪れた目的の一つでもありました。

小作 甲府店 年季の入った看板

お昼時でしたが平日ということもあって待ち時間なしで入店。席について天ぷらおざらと馬もつ煮を注文。しかし残念ならが もつ煮は売り切れでした。

10分ほどで料理が到着。

おぼんの上がとても賑やか。つゆは熱々で底の方に鶏肉やカボチャといった ほうとうでおなじみの具材も沈んでいてとても具沢山。

麺は ほうとうよりは若干幅が狭い きしめんのような感じで、よく冷えています。天ぷらはえび、キスに野菜が数点とボリューム満点です。

冷たい麺と熱いつゆのコントラストが何とも言えずに美味い。つゆは普通の ほうとうより やや濃い目になっていて、麺をつけながら食べるとちょうどよい塩梅です。

特に暑い夏場とかは ほうとうより おざらの方がオススメです。 (店舗によっては夏のみ提供)

石和温泉へ

甲府駅に戻り、特急券を買って特急かいじに乗車。石和温泉へ向かいます。

甲府から石和温泉はと急だと 1駅で乗車時間は 5分ほど。それでも特急料金は 760円と高いですが、次の普通電車が 30分後だったので時間を買いました。

歓迎 石和温泉
歓迎を受ける

とりあえず来てはみたものの、特に行く当てがあるわけでもなかったので、まずは駅の観光案内所へ。

観光案内所
ノープランの時は観光案内所に限る

日帰り温泉ができる所を訪ねてみると、地図と温泉施設の一覧表を取り出して駅から行けそうな 2か所をマークしてくれました。

まずは駅から近い方に行ってみます。

シャトレーゼホテル石和

石和温泉駅から歩いて 10分ほどでシャトレーゼホテル石和さんに到着。

元々は かんぽの湯だった施設を お菓子で有名なシャトレーゼが取得してリニューアルオープンしたそうです。


外装はまだ工事中


看板もまだ張り紙

日帰り入浴は 15時までが大人 850円・子供 550円、15時以降が大人 1,000円・子供 700円(最終受付 20時半)と、早めの時間の方が若干お得です。

14時ちょっと前に到着したので、フロントで 850円を支払って浴場へ。

元かんぽの湯だったということで中は広々。鯉が泳ぐ中庭もありました。


何ももってないよ

お風呂も広々して露天風呂もあり。気温も穏やかでのんびりとお湯を楽しむことができました。

ロッカーは鍵付きですが、大きい荷物は入らないのでフロントで預かってもらうとよいです。(日帰り利用でも無料で預かってもらえます)

深雪温泉

せっかくなのでもう 1軒。観光案内所でオススメと言われた深雪温泉さんに向かいます。

こちらはポンプを使ずに 1分間でドラム缶 7本分という圧倒的な湯量を誇る天然温泉で、「完熟の湯」という名前が付けられています。


飾りもかけ流し

日帰り入浴は大人 1,200円・子供 900円。最終入館が 18時で 19時まで利用可能となっています。

浴場にロッカーはないので、貴重品はフロント横のロッカーに入れて、大きい荷物はフロントで預かってもらいます。

お風呂は内風呂と露天風呂があり、内風呂はだいぶ温度が高め。身がキューっとなる感覚は大分の別府温泉のようでした。

一方、露天風呂の方はだいぶ温度が低めでいくらでも入っていられるような、程よい湯加減。 鳥のさえずりを聞きながらノンビリ入ることができます。

とにかく源泉を何もせずにドバドバ贅沢にかけ流している感じがとても贅沢。2軒目でしたが長湯をしてしまいました。

ちなみにタオルはフロントで購入したり借りたりできますが、事前に甲府駅の 100円ショップでハンドタオルを買っておいて、それを利用しました。

大月に寄り道

温泉も堪能できたので、そろそろ帰ろうと帰りの特急のチケットを調べるとほぼ満席。さすが連休最終日。

席はないこともなかったのですが、ちょっと 1本見送って次の普通電車に乗って様子を見ることにしました。

立川行きなのでこのまま乗って行くか迷ったものの、大月からの特急ふじさんが比較的空いていたので大月で乗り換えて新宿まで行くことにしました。

というわけで、特急が来るまでの時間に大月駅で途中下車して駅の周りをプラプラ。


Lucky City


大月桃太郎伝説とかいうのを推している

特急の時間になったので駅まで戻って乗車して帰途に就きました。

まとめ

なんかちょっとだけお出かけしたいだけだったのですが、結果的に海の幸あり、おざらあり、温泉ありの充実感のある旅になりました。

連休に頑張って遠出するのも良いですが、近場で気楽に過ごしてみるのもまた良いんじゃないかなと思います。